夕暮れ時の思考
洗濯物を取り入れて、そのまま寝っ転がって天井を見ていたら、天井に密着させてかぶせる型の電気のカバーの中で、小さな羽虫が暴れている影が見えました。
あー、電気の紐が出ている小さな穴から入って、出られなくなったんだなぁ・・・・・
助けてやろうかなぁ・・・
3分したら助けてやるからね・・・・
あと1分したら・・・
・・・と考えているうちに眠ってしまい、目が覚めた時には、さっきの羽虫は、いなくなっていました。
と、私は中学校の中間だか期末だかのテストの時のことを思い出しました。
私は、窓側の後ろから二番目の席に座っていて、テストが始まる直前まで、必死に教科書を見て、何やら暗記に精を出していたのですが、ふと、ページの間に、小さな羽虫が挟まって、化石の様になっているのを発見しました。
私はそれをそっと教科書の間から取って、回ってきた答案用紙の白い部分の上にのせ、後ろの席の女子に回しました。
彼女は、
「ギャッ!」
と小さく叫び、心底驚いた顔をしたので、私は満足し、さっき暗記したことを忘れないうちにと、そそくさとテストに取りかかりました。
五分後。
彼女は大層気分が悪くなり、保健室へと運ばれて行きました。
私の予想よりも何倍も、虫が大の苦手だったのでした。
・・・あれは悪いことをしたなぁ
・・・しかしあれは誰だったかなぁ
・・・出席番号順に座っていて、ヤマモトより後ろだったから、ワタナベユリちゃをかなぁ
・・・ヨコイさんかなぁ・・・
・・・・・・・。
・・・・小学校の同級生のマツダエミちゃんは、蠅の羽をちぎって、ペットにして遊んでいたっけなぁ・・・
嬉しそうだったなぁ・・・
・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
夏の夕暮れには、なぜ、くだらない思考と、睡眠が、繰り返し襲ってくるのだろうか。
・・・・・私だけじゃないと良いなぁ。
山本でした。




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